社会福祉におけるニーズの類型

ニーズとは?
ニーズとは、人が何かを必要としている状態、つまり「欲しい」と思うことや「必要としている」という状態を指します。社会福祉の分野では、利用者がどのような支援を必要としているのかを把握するために、ニーズの概念が非常に重要です。
様々なニーズの種類
ニーズには、大きく分けて以下の種類があります。
1. フェルトニーズ(Felt Needs)
- 定義: 本人が自覚している、心の奥底から感じている願望や希望のこと。
- 特徴: 主観的で、言葉で表現しにくい場合もある。
- 例: 「誰かと話したい」「認められたい」「安心したい」など、心の安定や人間関係に関する欲求。
2. エクスプレスニーズ(Expressed Needs)
- 定義: 本人が言葉で表現している、具体的な要求や要望のこと。
- 特徴: フェルトニーズを言葉にしたもの、または、フェルトニーズを満たすための手段として表現される。
- 例: 「食事の介助をしてほしい」「病院に連れて行ってほしい」など、具体的なサービスの要求。
3. ノーマティブニーズ(Normative Needs)
- 定義: 専門家や社会が、客観的な基準に基づいて判断した、人が必要とするべきもの。
- 特徴: 社会規範や専門知識に基づいて設定されるため、個人の主観とは異なる場合がある。
- 例: 「最低限の生活保障を受ける権利がある」「健康診断を受けるべき」など、社会が定めた権利や義務に関連するニーズ。
4. 比較ニーズ(Comparative Needs)
- 定義: 他の人と比較して、自分が不足していると感じているもの。
- 特徴: 相対的な比較に基づいて生まれるため、状況によって変化する。
- 例: 「周りの人が持っているものを自分も欲しい」「友達と比べて自分は劣っている」など、比較によって生まれる欲求。
各ニーズの関係性
- フェルトニーズは、人の心の奥底にあるもので、直接的な行動には結びつかない場合もあります。
- エクスプレスニーズは、フェルトニーズを具体的に表現したものですが、必ずしも本人が本当に求めているものとは限りません。
- ノーマティブニーズは、社会的な視点から見たニーズであり、個人のニーズと一致しない場合もあります。
- 比較ニーズは、周りの人との比較によって生まれるため、不安や不満につながる可能性があります。
社会福祉におけるニーズの重要性
社会福祉の現場では、利用者のニーズを正確に把握することが、適切な支援を提供するための第一歩となります。
- フェルトニーズを理解することで、利用者の心の奥底にある不安や悩みを解消することができます。
- エクスプレスニーズを聞き出すことで、具体的な支援内容を決定することができます。
- ノーマティブニーズを考慮することで、利用者が享受できる権利を保障することができます。
まとめ
ニーズは、人によって、状況によって様々です。社会福祉士は、利用者の様々なニーズに耳を傾け、その人に合った支援を提供することが求められます。
| ニーズの種類 | 特徴 | 例 |
|---|---|---|
| フェルトニーズ | 主観的、心の奥底からの欲求 | 誰かと話したい |
| エクスプレスニーズ | 具体的な要求や要望 | 食事の介助をしてほしい |
| ノーマティブニーズ | 社会的な基準に基づくニーズ | 最低限の生活保障を受ける権利がある |
| 比較ニーズ | 他者との比較によって生まれるニーズ | 周りの人が持っているものを自分も欲しい |


